2020.3.11
「直葬」とは?メリット・デメリットや行う前に知っておきたいこと
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この記事の監修者
税理士 蔵重篤史 (蔵重税理士事務所)
私たちはお葬式のお手伝いからその後の相続、手続きなどをプロの専門家 が行うことでお葬式をやって終わりではなく⾧いお付き合いをモットーに 手厚くアフターサポートを行なっております。
身近な人が亡くなったときに行う葬儀の内容は、近年多様化しています。
最近では、火葬や埋葬のみで終わらせる葬儀「直葬」も一般化しているため、ニーズが合えば検討してみるといいかもしれません。
そこで「直葬」とはどんな葬儀なのか、どのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく解説していきます。
直葬とは?
「直葬」とは、簡単に説明すると親族や親しい人だけで火葬や埋葬のみを行うお葬式のスタイルのことです。
そのため「火葬式」とも言われています。
通常セレモニーホールや自宅で行われる各種儀式を行わずに、いきなり火葬場の火葬炉の前に集まり、儀式を行います。
こうした特殊なお葬式が広がった背景には、従来から続けられている儀式の在り方にこだわらない人が増えたことが関係していると考えられます。
一方で、高齢の方など従来のマナー・ルールを重視する人からは印象が悪い可能性もありますので、注意しなければなりません。
直葬にかかる費用は?
直葬が選ばれている理由として、第一に挙げられるのは「葬儀全体にかかる費用を抑えられる」ということでしょう。
直葬にかかる費用は20~30万円前後で行うことができます。
一般的な葬儀では100万円以上かかることを考えると、破格と言えるでしょう。
また中には相場費用よりもさらに安い金額を提示している葬儀社もありますが、その場合基本料金に付随して搬送費用、火葬費用、骨壺などの物品費用がオプション料金として追加で請求される可能性もあります。
安さだけを見て決定してしまうのではなく、総合的にかかる費用をきちんと割り出した上で自分のニーズに合っているか判断しなければいけません。
そのためにも、直葬の特徴やメリット・デメリットを理解しましょう。
直葬のメリット
先ほどご紹介したように、直葬の最大のメリットと言えるのは「費用を抑えられる」ということですが、そのほかにもさまざまなメリットがありますのでご紹介します。
一般的な葬儀では、亡くなった段階でできるだけ早く通夜や葬儀の場所、時間を決定しなければいけません。
そして速やかに親戚や知人、ご近所さんに連絡し、具体的な準備に移っていく必要があります。
しかし直葬では、基本的に親しい人のみで行うことからたくさんの人へ連絡し、参列してくれた方へ対応しなければならない……ということがありません。
受付係を手配したり、足りなくなっては困るからと香典返しを多めに用意したり、お手伝いしてくれた地域の方へお礼をしたりといった作業が必要なくなります。
かかる費用を抑えられるだけでなく、時間や手間も削減できるのが直葬のメリットと言えるでしょう。
特に、高齢者のみの家庭など身近な人の協力を仰ぐのが難しい状況では、直葬によって遺族の負担も抑えられます。
直葬を利用するデメリット
魅力も多い直葬ですが、一方でデメリットもあるため注意しなければいけません。
まず一つは、すべての人が直葬に理解があると限らないということです。
家族や親族から「いわゆる一般的な葬儀をした方がいいのでは?」という意見が出ることもあるでしょう。
そのとき、きちんと説明しておかないと「簡素な式で故人に対して失礼」といった悪いイメージにつながりかねません。
トラブルを避けるためには、事前に誠心誠意説明をして理解を得る必要があります。
説明をしなければならないのは、親族だけではありません。
友人やご近所の方から「お世話になった人だから、葬儀に参列したかった」、「最後のお別れをさせてもらいたかった」といった意見が出ることもあるでしょう。
その場合も同様に、きちんと説明をする必要があります。
その際には、後日弔問の機会を設けたり、個人的にお会いする時間を作ったりと故人をしのぶ時間を作る心遣いが必要です。
直葬を利用するときの注意点
これらを踏まえた上で「直葬を選ぼう」と考えたときには、なるべく早く身の回りの人に「直葬をする」という旨を伝えましょう。
訃報を聞き、すぐに供花を用意するなどスムーズに動く人も少なくありません。
会社の上司や故人がかつてお世話になった方も含まれるでしょうから、失礼のないよう早めに決断し早めに伝えることを心がけてください。
また、直葬の場合は菩提寺への納骨を断られかねないのも注意しなければならないポイントです。
直葬=納骨できないというわけではありませんが、事前に直葬であることをしっかり伝え、理解してもらわないとトラブルに発展しかねないのです。
家族が亡くなったのに、代々お世話になっている菩提寺に説明がなかった、ということがないよう注意しましょう。
まとめ
従来の形式にとらわれない葬儀の形が広がっている今、今回ご紹介したように費用を抑えられる「直葬」が選ばれています。
ただし、中には安い金額を提示しながら実際には追加料金がどんどん加算され、結局高い費用が発生するケースもあります。
直葬のメリットを十分実感するためには、葬儀社選びにこだわらなければいけません。
葬儀・家族葬なら円満なお葬式にご相談ください。