2020.6.20
お葬式での数珠の正しい使い方は?数珠の種類と基本のマナー
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この記事の監修者
税理士 蔵重篤史 (蔵重税理士事務所)
私たちはお葬式のお手伝いからその後の相続、手続きなどをプロの専門家 が行うことでお葬式をやって終わりではなく⾧いお付き合いをモットーに 手厚くアフターサポートを行なっております。
葬儀のシーンで忘れてはいけないアイテムのひとつに「数珠」があります。
一見同じように見える数珠でも、実はなりたちやデザインが違い、それによって身につけるべき人、使い方が変わります。
マナー違反にならないためにも、数珠にまつわる基礎知識を確認していきましょう。
数珠の役割とは?
そもそも、数珠にはどのような意味や役割があるのでしょうか。
数珠の役割には諸説ありますが、本式数珠と呼ばれる正式な数珠は108の玉のつらなりでできています。
つまり、数珠が象徴しているのは「煩悩の数」。
数珠を通じて煩悩をしっかり見据えると同時に、仏様とのつながりを深めることが主な目的と考えられます。
数珠の糸が切れたときには煩悩をはじめとした悪い縁が切れた、考えるとよいでしょう。
つい「不吉だ!」と感じてしまうかもしれませんが、「仏様が悪い縁を断ち切ってくださった」と前向きにとらえてください。
このように数珠は仏様の世界と現世をつなげる、という意味合いがあることから、合掌した手のひらへかけるように使います。
こうした成り立ちから、仏教式のお葬式において、故人へを思い仏様の世界へ送ってあげるために数珠を使うのです。
現在では、仏教式のお葬式では自分の宗派の数珠を持っていくことが一般的です。
ただしキリスト教や神道式のお葬式など、ほかの宗教の葬儀ではその限りではありません。
数珠の使い方
数珠は、焼香がはじまってからあわてて取り出す、ということがないように葬儀がはじまるときあらかじめ手にかけておきましょう。
左手は仏の世界、右手は現世を表すとされているため、数珠は基本的に左手首にかけておきます。
そして合掌するときに、親指と人差し指のあいだで挟むように両手で持ちましょう。
ただし正式な持ち方は、宗派によっても変わります。
基本的な持ち方のほかに長い数珠を二周まわすように手にかける持ち方、中指にかける持ち方など種類があります。
そのため自らの家系の宗派はなんなのか、またその宗派の数珠について、特別な使い方がないか調べておくといいでしょう。
数珠の種類の違いは?
数珠の使い方と同様、数珠の種類も宗派によってデザインが変わります。
基本的には、どのような葬儀に参列する場合でも自分の宗派の数珠を持っていけば問題ありません。
近年では「略式数珠」と呼ばれる、宗派をまたいで使える簡易的な数珠が安価で販売されています。
100円ショップなどでも購入できますが、あまりに安価な数珠はマナーを考えると適したものとは言えません。
そのため、自らの宗派を理解した上で正式なものでなくとも安価・簡易すぎないしっかりした数珠を用意しておくといいでしょう。
あまりにチープな数珠をあえて使うことは「故人に対して失礼である」と遺族や参列者を不快にさせてしまう恐れがあります。
また、数珠には「男性用」と「女性用」、「大人用」と「子ども用」といった違いもあります。
男性用の数珠は比較的大きめに作られておき、玉の一つひとつが大粒で、黒やグレーなど落ち着いた色味のデザインが多く展開されています。
それに対して女性用の数珠はやや小ぶりで、玉のサイズも小さめ、透き通ったものやピンク、ブルーのデザインもあります。
子ども用の数珠は女性用のものよりもさらに小さめに作られています。
デザインについては好みのものを選んでかまいませんので、性別と年齢については適したものを身に着けてください。
数珠を利用するときに覚えておきたいマナー
数珠を扱うにあたって、覚えておきたいのは「数珠のマナー」です。
例えば、数珠は基本的に貸し借りしないように気をつけてください。
前述の通り、数珠は仏様とのつながりを示すものとされています。
そして仏様とつながることができるのは数珠の持ち主のみですから、一人ひとつずつ持つようにしましょう。
万が一、葬儀に数珠を忘れてきてしまったときには、人から借りるのではなく葬儀会社などに相談してください。
葬儀社が準備している予備の数珠を、貸してもらえる場合があります。
葬儀会社にはさまざまな種類があり、それぞれにサービスの内容も異なりますので、身近な人が亡くなったときには、信頼できる葬儀会社選びを徹底してください。
まとめ
数珠には多くの種類があり、宗派や性別、年齢によって適したデザインや使い方が違います。
基本的なマナーをおさえておかなければ、知らずしらずのうちに故人や遺族に対し失礼な行為をしてしまうかもしれません。
困ったときには葬儀会社のサポートも受けながら、失礼のないようマナーを守って葬儀に参列したいものですね。