2020.10.23
戒名料の相場は?目安になる具体的な金額とランクの違いや選ぶ基準について
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この記事の監修者
税理士 蔵重篤史 (蔵重税理士事務所)
私たちはお葬式のお手伝いからその後の相続、手続きなどをプロの専門家 が行うことでお葬式をやって終わりではなく⾧いお付き合いをモットーに 手厚くアフターサポートを行なっております。
葬儀にかかる費用にはさまざまな種類がありますが、忘れてはいけないのが「戒名料」です。
ランクによっても相場金額が変わるため、費用の目安を立てたいときに悩んでしまうのではないでしょうか。
そもそも戒名とはなんなのか、ランクの違いや選ぶ基準とあわせて基礎知識をご紹介していきます。
戒名とは?
戒名(かいみょう)とは、僧侶に頼んで亡くなった人に付けてもらい、白木位牌(しらきいはい)へ書き込んで祭壇へ安置する死後の名前のことです。
戒名には亡くなった人が無事に極楽浄土へ行き、仏の弟子となったことを証明する役割があります。
戒名をいただく際はお寺(基本的には菩提寺)へ依頼し、つけていただいた戒名のランクに応じて僧侶にお布施をお渡しします。
具体的な金額はどこのお寺に頼むか、戒名のランクをどうするかなどによって変わるため、事前によく調べておくといいでしょう。
戒名料の目安の金額は?
戒名料の相場はとても広く、数万円内におさまる場合もあれば、100万円以上かかるケースもあります。
強いて目安金額を出すとすれば、多くのお寺において主に利用される戒名料として30~50万円ほどを目安にするといいでしょう。
だからと言ってすべてのお寺でこの金額が目安になるわけではなく、具体的な金額はお寺によってまったく違うため「ほかのお寺では5万円でやってくれたのに、ここのお寺では倍の金額がかかった!」ということも十分ありえます。
また戒名料を調べたことで「お葬式のときにそのくらいの金額を用意しておけばいいのか」と思うかもしれませんが、これはあくまで戒名だけに使われる金額です。
そのほかに、お経をあげてもらったときには読経料をお布施として僧侶にお渡ししたり、葬儀場の使用料を用意したりする必要があります。
依頼後、実際に支払うシーンになって「予算オーバーだった!」と気づくことがないようよく検討しましょう。
ランクの選び方
戒名には主に「院殿号」「院号」「道号」「戒名」「位号」といったランクがあります。
「院殿号」と「院号」は戒名の最高ランクとされており「〇〇院」「〇〇院殿」とつけられ、主に身分や地位の高い人に与えられます。
また、ランクの高い戒名は文字数が増えていくという特徴があります。
「道号」には、日蓮宗なら「日」「妙」、浄土宗なら「誉」といった文字が使われます。
宗派によっては、そもそも道号自体を用いない場合もあります。
「戒名」は2文字だけで作られる名前で、宗派によっては「法号」、「名号」ともされています。
「位号」は俗名でいうところの「様」にあたる、戒名のあとにつけられるものです。
故人の性別、年齢、社会貢献の度合い、信仰心などを考慮して決められます。
こうしたランクは新しくお墓を建てるのであれば、どれを選んでもかまいません。
ただし、すでにあるお墓にご先祖様と一緒に入るのであればご先祖様より高いランクを選ばないように気をつけましょう。
また、夫婦で同じお墓に入るときにはどちらかのランクが高くならないように注意してください。
戒名料の渡し方
戒名料をお渡しするときは、読経料とともに包んで僧侶にお渡しします。
一人だけでなく複数の僧侶がいらした場合には、その中でも位の高い僧侶にお渡ししてください。
読経料の相場は3~30万円ほどです。
お渡しするタイミングは、これから葬儀がはじまるというタイミングで僧侶が会場に入り、ご挨拶に行くときにお渡しするといいでしょう。
ただし、葬儀前はなにかと忙しいタイミングでもあるため葬儀が終わったあとや精進落としの場などでもかまいません。
そのほかに葬儀の前、戒名をいただく旨を依頼する際にお渡しすることもあります。
戒名料を渡すときの注意点
戒名料をお渡しする際、手渡しすることはマナー違反となります。
お金は必ず封筒に入れ、封筒の表書きが見えるように切手盆にのせてから、お礼の言葉とともにお渡ししてください。
切手盆は葬儀場で借りることもできますので、必要があれば葬儀場のスタッフに声をかけてみてください。
封筒の表書きを書くときには、「戒名料」ではなく「お布施」と書くとよいでしょう。
封筒の種類や表書きの書き方は、宗派・地域によっても変わるためあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
また、葬儀の場面では薄墨を使うものとイメージするかもしれませんが、戒名料やお布施の表書きを書くときには薄墨にする必要はありません。
むしろ、薄墨を使うことは僧侶に対して失礼にあたりますのでしっかり濃墨で書いてください。
まとめ
相場がある程度決まっているといっても、非常に幅が広いのが戒名料の特徴です。
ランクによっても費用は変わることから、あらかじめ家族で話し合って決めておくとよいでしょう。
また葬儀にまつわることで悩むことがあれば、葬儀のプロに相談するとよいでしょう。
葬儀・家族葬なら、ぜひ円満なお葬式にご相談ください。